4年ぐらい前でしょうか?
日本糖尿病協会の歯科医師登録医になりました。だからといって自慢できるものでも、大いに役立っているわけでも無し、なんとなく登録医証を持っています。でも、この登録医の更新は、糖尿病協会主催の糖尿病に関する講習を受講することが必要なんです。来年更新なので今の時期に集中的に受講しようとして、2月はもうすでに3回受講してしまいました。
この講習、歯科医師向けと医師向けのものがありますが圧倒的に医師向けのものが多く、内容的にはやっぱり医師向けのもののほうが聞いていて興味深く、私にとっては“当たり”もあれば“はずれ”もあります。たとえば歯科医師には「糖尿病新薬の使い方」なんて内容だと私が新薬を処方することが無いので「最近はいい薬が出来たんだねー」くらいの気楽な感じで聞くのですが、「薬物治療もこんなに進歩したんだ!」と感心したりすることもあります。
つい先日、とても興味深いというか「へー、そうなんだ!」という最新の知見を掴むことができました。糖尿病はインスリンを作ることができなかったり、十分な量が分泌されないため血糖値の高い状態が長期間続くことでさまざま合併症を引き起こす病気であり、なんと認知症との関係もわかってきたようです。認知症はAD(Alzheimer’s disease)アルツハイマー型認知症とVD(Vascular dementia)脳血管性認知症がかなりの比率を占めています。
ちなみにVDはカタカナでバスキュラーディメンティアなんて言うとカッコイイ響きになります。この脳血管性認知症は生命に深く関与しない領域で小さな脳梗塞を繰り返すことで次第に認知症が進行していく為、単なるボケが進んできたと勘違いされやすいタイプらしいです。糖尿病は血管にダメージを与えることが知られていますが、糖尿病発症⇒血管に損傷⇒脳梗塞⇒認知症こんな感じでボケてしまう例もあるようです。だから糖尿病と診断されたら、きちんと治療しないと認知症で家族ばかりか周囲に迷惑かけることにもなってしまいます。
さらに悪いことに、治療しているから安心なんて思っても一時的に高血糖状態になったり、低血糖発作を起こしたりする、いわゆるコントロールがうまく出来ない状態を繰り返すとやっぱり認知症になり易いそうです。アルツハイマー型認知症はというと、インスリンの量が十分でないと脳神経細胞を壊す物質が出来てしまい進行が早くなるみたいです。やっぱり糖尿病はしっかり血糖値をコントロールしてうまく付き合って行くしかないようです。
当院でも糖尿病を患った方が来院しますが、歯周外科治療とセルフコントロールで糖尿病のデータが良くなり喜ばれることもあります。また、インプラント治療が可能になった例もあります。
一方で、糖尿病コントロール不良の患者さんにさまざまな合併症の話をすると「そんな話しないでよ!」と言って音信不通になる人もいます。
このデータで何の治療もせず放置していたら本当にマズイと心配しても、向き合おうとしない人がいるのも事実です。でも責任は自分で取るしかないのですから!

