土井歯科クリニックでは比較的簡単な抜歯などでも縫合処置、すなわち、針と糸を使って縫い合わせています。
多くの歯科医院では“ガーゼを咬んで終了”が多いようですが、これだと後から「血が止まらない!」といったトラブルが多くなってしまいます。
当院では、抜歯に限らず歯周外科、インプラント治療、小手術等出血を伴う手技を多くおこなうため、一日何度も縫合処置をすることになります。
私が愛用している外科器具は、“壊れれば廃棄すればいい”と通信販売で購入した安物の器具が多くを占めています。
通販カタログを眺めては「これ良さそう!」と感じたものをまず試してみて、気に入ったらまとめて購入するスタイルです。
名の知れた歯科医では無いので、何十万円もするブランド品を使うなんておこがましいし、増してや自分専用の器具製作を依頼するなんてとんでもないことです。
開業当初は、良い物をと考え、ある程度高級な器具を購入したものの、実際使ってみると「高額な割には気に入らない!」と使わなくなったものも多くあり、次第に現在のスタイルが定着していきました。
数千円の器具でも気に入ったものに出会えれば「これはいいね!」とまとめて購入すれば良いし、“数年使って壊れれば廃棄”にすれば、損した、ガッカリした、なんてことも気にせずに済みます。
ところが、お気に入りの縫合器具が次々寿命となり、仕方なくいつもは使わないヘガールと呼ばれる持針器を使い始めました。
これは学生の時に「良い物は一生だよ!」と言われて(騙されて?)買ったもので、かれこれ30年もたっている年代物ですが、しっかりとした作りで非常に良く手に馴染む代物です。
ここ十年ばかりは、通販で安く購入した“マチュー”という少し形態の違った持針器を愛用し、口の奥を縫うにはやや使い難い理由で、もっぱら器具棚の奥の方に仕舞われていたこともあり、ひさびさに活躍の場が与えられました。
このヘガールも久し振りに使ってみたら「やっぱり良くできてるな」と感心したものの、新たに注文した製品が届くまでの短い期間でまた棚の奥に仕舞われてしまう運命かもしれません。
ヘガール以外にも使用頻度が低いけれども、“良いもの”が棚の奥に眠っているので、もっともっと使ってあげられると良いのですが。

