私は歯科医師なので、当然ながら歯科に関する雑誌やら冊子やら刊行物などさまざまな郵便物が届きます。
最近届く郵便物の中で目に付く項目が、歯科医師国家試験の結果に関することなので少しばかり綴ってみたいと思います。
今年おこなわれた第109回歯科医師国家試験において3103人の受験者のうち1973人が合格して合格率が63.6%という結果でした。
前回より合格率が僅かに下がると同時に合格者が2000人を下回ったのは歯科医師国家試験が年1回になって以降初めてのことだそうです。
低い合格率の要因として、高い合格基準や「必要最低点」の設定の影響があると分析されています。
このコメントだけを読めば「あ~、そうなんだ。」で終わるのですが、この合格率や合格者数はもっと深刻な問題が潜んでいるのをご存知の方も多いと思います。
そもそも、歯医者が多すぎるのが全ての問題なんです。
歯科医師過剰問題がもう20年以上解決されずに放置されていますが、歯科大学を減らすのは無理とか、じゃあ、入学定員を減らそう!とか、ある程度対策をしたものの、今だ根本的な問題は放置のままです。
そうこうするうち、合格者数を絞る試み、入学志願者の減少による定員割れ、学生の質の低下などさまざまな要因が重なり今回のような合格率や合格者数になったものと考えます。
一番困るのは歯学部を卒業したけれど国家試験に合格できない歯学士という卒業証書だけを持つ人たちです。
試験に受からなかったら歯医者を名乗れないので、診療も治療もできないので歯学士だけでは資格を生かすなんてこともできませんから。
とはいえ、現在でもまだまだ歯科医師は過剰なので、大都市部では新しく歯科医院ができるのと同じくらい歯科医院が廃院している現状があり、地方でも何とか医院を維持しているといった場合も多いようです。
ただし、あと10年以上先には多くの先輩歯科医師が引退を始める時期が到来するでしょうから、もしかしたらこれから歯科医師になるのは案外先見の明があるかもしれません。
ただし、かなりの賭けになるかもしれませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。

