法医学研修講演会

警察歯科医を拝命しているこの私ですが、歯科医師会より法医学研修講演会への出席の案内があり、先日、さっそく出席してまいりました。

出席者の顔ぶれを見てみると警察医や警察の鑑識の人たちがほとんどで、これらの方々のための研修のようで、検視も検案もしない私のような警察歯科医には場違いな感じがしたものの、せっかく来たのだからと前向きに考えじっくり聞かせていただきました。

内容はといえば、病院以外の場所で亡くなった方の死因を極力正確に突き止めるには何に注意をするのか、どのような死因で亡くなることが多いのかを知っておくと実際の現場で役立ちますよといったところでしょうか?
新聞やニュースなどで突然死についての報道を見ることがありますが、統計ではその原因の8割近くが脳や心臓の血管にあることがわかっています。

その中で、首を傾げたくなるようなものとして消化器疾患が5%程度を占めているのですが、医者嫌いで一度も医者にかかったことが無いような人が末期のがんで、これが死因であったなんてこともあるようです。

また、入浴中の突然死も、運動中の突然死も死因のほとんどはやっぱり脳と心臓の疾患だそうで、パッと見て“あたま”とか、“しんぞう”と、どちらかを死因とすればほぼ9割の確率で正解になってしまいます。

自動車運転中の急死もまた似たようなものだそうです。

しかし、ここからが問題で同じ突然死でも事件性のあるものかどうかの見極めは長年の経験と確かな知識が必要なようです。

欧米や国内でも、死因特定のために解剖をしてみると事前の診断との不一致がある一定の割合で見つかるそうです。

この一見すると易しそうな死亡例が、良く調べると全く異なる死因であったなんて例を実際のスライドを交えていくつも見ることができました。

私が知っていてもなんの役にも立たないけれど「なるほど!」と感心してしまいました。
名探偵コナンのような完全犯罪は非現実的だけど、事故死を装った殺人も良く観察してみると必ずおかしな所見がある!

どのような例でも先入観に囚われることなく観察していけば、必ずや正しい死因を突き止めることが出来ることも判り易く解説してもらえました。

どのような職業や仕事にも言えますが、日頃から観察眼を磨くことが自分を更なる高みへと導くことになるのだと。

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