とんでる

先日のことでした。
その日はインプラントの埋入手術があり、患者さんへモニターを装着しました。

モニター画面の波形を見て「あれ~、飛んでますね~。」と思わず口から言葉が出ました。
すると患者さんも「そうなんですよ!飛んでるって言われてるんです。」と答えてくれました。

「お医者さんからも、飛んでるけど心配ないからと言われ薬も飲んでないし、何にも制限されてませんから。」と続けてくれました。

確かに、術前の問診時にも抗血栓薬の内服だけで、良好な健康状態を確認していました。
「飛ぶ」と呼ぶ状況は、医療の世界では脈拍を計っていると、脈がスキップしたようになり、本来打つべき脈が途切れて1つの脈が飛んでしまったように感じることから呼ばれています。

ほとんどが期外収縮によるものであり、誰にでも生じている現象で治療の対象にならないものです。
ただ、モニター画面では結構な頻度で生じていていたものの、血圧、脈拍、酸素飽和度も問題なく、患者さんも呼吸苦、気分不快も無く「いつもこんなものですから、心配ないです。」と答えてくれました。

ならば、とインプラント埋入術を開始し、術中も何事も無く終了することができました。
ここからが本題です。

術中に頭の中で浮かんでいたことを綴らせていただきます。
「そう言えば、1分間にVPC(期外収縮)が何回出ているかで分類があったよな~。確か○○の分類とか言って治療のグレードがあった気がする。」

「大学病院ではこんな時、静注用リドカインを使ったよな~。100ミリグラムワンショット。」
「そうそう、内科の先生から“これは裏ワザだからよく覚えておくといいよ!”と言って、なかなかVPCが収まらないときは、まずワンショット静注で止めてからリドカイン1000ミリグラムを生食100ccに入れてシリンジポンプで・・・」
「上室性の不整脈なら、血圧が比較的高めなら、ワソランを使って、ちょっと不安定なら・・・」
と、まあ、こんなことが頭の中でいろいろ浮かんでいました。

実際に、対応していたことなので自然に頭の中に浮かんできたことですが、今では歯科開業医として20年近く過ごしています。
頭の中に浮かんでいた医療器具や薬剤は当然のごとく、院内に用意されていないので、医療として行うことは不可能です。

しかしながら、治療法や対処法が頭の中にあってと、何のアイデアも無く対応しているのではどちらに安心感があるかは明らかです。

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