当院にAEDを設置して早くも2年が経ちました。
幸いなことにまだ1度も使用したことがありませんが、早くもAEDパッドの使用期限を迎え「新しいものに交換せよ」との知らせが届き交換いたしました。
現在日本は高齢化社会を迎え、当院でも持病や合併症を抱えた患者さんが多く来院します。
歯科治療は、虫歯の治療でも麻酔注射が必要でさまざまな病気の知識や薬剤知識など総合力が問われる職業になっています。また、当院は口腔外科を標榜しているためインプラント治療、歯周外科治療、その他の外科処置も多くリスクのある治療が多くなっています。したがって現症や既往歴、内服薬などの把握に努め最新の情報を常に収集し適切な対処に務めています。
これからもAEDの出番が無くバッテリーやパッドの交換のみで済むよう、より新しい知識や手技の取得に努めたいと思います。
ところで先日、外傷の患者さんが急患でみえました。どうやら庭にいる時、顔面から転倒したらしく気が付いたときには、血だらけでくわしいことは覚えていないと震えながら繰り返してくれました。かかりつけの歯科医院が休診だったため当院を受診したようで顔は腫れ上がり、顔面と口から血がしたり泥だらけです。こんな状態の人が突然訪れたら歯科医も尻込みするだろうといった感じでした。冷静に簡単な問診と現病歴、内服楽を確認し、高血圧、糖尿病、腰痛があることがわかり、糖尿病はコントロール不良であることもわかりました。
血圧を測り局所麻酔薬を選択し処置を開始。運動障害、眼症状の有無を確認し、泥の付いた傷をデブリ(デブリードマンの略・創面をきれいにすること)して傷の断端を整形し縫合処置。現在医療費を削減するために必要と思われる処置をしても過剰であると切られてしまうことが多くなっています。きちんとしたトレーニングを受けた私は、たとえボランティアになってもきちんと対処していますが・・・・
このときも「デブリしないと絶対この傷腐るよなー」と考えながらも、「でもデブリを算定するとレセプト切られるよなー」とか、傷に泥が混じっているから「破トキ(破傷風トキソイド)打っておいたほうがいいよなー」*(茨城県は破傷風の発症が多いと聞いています)と思いながら「でも、歯医者で破トキを打つなんてフザケルナ」と言われそうだとか、処置中もいろいろ考えながら必要と考えることを行いました。私が大学病院に勤務していた時「親知らずが腫れた」と言って入院した患者さんが破傷風だった経験もあるので、知り過ぎていることの怖さもあるのです。
糖尿病も検査データからみるとすこぶる悪く今後も感染の危険が予想され「本当にこまった」でした。治療を受けた側からみたら「ころんじゃって、あそこの歯医者で縫ってもらったのよ」の一言で済むようなことでも、治療した人(私)はさまざまなことを深く考えて治療していることを知ってもらいたいと思います。
また、私が懸念したことが現実に起こり結果が悪ければ「あそこの歯医者はとても下手な歯医者」と言われかねません。さまざまな可能性を説明していても「後の祭り」となることもあるのです。簡単と思われる治療でもいろいろと頭の中でシュミレーションしながら冷静に対処していることを知ってもらいたいと思います!

