今回はあまり知られていない状況について綴ってみましょう。
1981年にHIV感染者が公式に発見され、今も世界で年間200万人が新たに感染しているHIV/AIDS。
日本国内ではHIV感染者・AIDS患者の新規報告者数は高止まり状況が続いているようです。
男性同性間によるものが過半数を占め、感染に気付かないまま過ごしAIDSの状態となって確定診断を受ける「いきなりAIDS」が新規報告者の3割にもなっているとあります。(私の記憶によればHIV感染とAIDS発症は区別して考えなければいけません。たとえHIVに感染しても適切な治療をすればAIDSの発症を大幅に遅らせたり、発症させないことができるからです。)
世界的にはAIDS関連の死者数はほぼすべての年齢で大きく減少しているのに10歳代のみは例外となり対策が急務な現状があります。
しかしながら、日本は先進国にも関わらず目立って感染拡大が続いている現実があり立ち遅れた状態となっています。
さらには、梅毒患者も過去最悪のペースで増えているという報告もあります。
梅毒はペニシリンなどの普及もあり減少傾向にあったものの、数年前より大幅に増え2015年はこの25年間で最高になる見込みだそうです。
こちらも世界的に2000年以降再流行がみられ、梅毒が流行する環境がHIV感染を助長する一因になるであろうことは容易に察しが着きます。
梅毒もHIV同様、日本国内では女性の感染者の増加が顕著になっていてこれからの取り組みがますます重要となっています。
このように自分は関係無いとか、身近な人では聞いた事が無いなどといった思い込みが、知らず知らずのうちに危険な状況へと移行する可能性があります。
当院では、多くの患者さんが訪れる場所ではありますが、HIV、梅毒等の感染症を調べる術はあるものの、実際に検査をすることはプライバシーの問題もあり困難です。
これは一般的な医療機関においても自己申告などの申し出がない限り同様でしょう。
したがって、当院においても感染予防のためのマニュアルを作成し、日々実行してはいるものの患者さん自身に自覚がなかったり、悪意があったりした場合どこまで実効性があるのか分からないこともあります。
当院もスタッフ、患者さんを守るため努力をしていますが、皆さんも「自分の身は自分で守る」を肝に銘じて日々の行動を律する努力が必要かと考えます。
今回はあまり気分の良い話題ではありませんでしたが、今この国で何が起きているのか知ってもらいたくて感染症について引用を交えてお知らせいたしました。

