昨年暮れのブログであったと記憶しています。
世界初となる歯周組織再生医薬品リグロス歯科用液キットが保険適用され、歯周病患者さんに朗報であると綴りました。
そのリグロス歯科用液キットが我々歯科開業医でもフラップ手術(歯周外科手術)に適応可能となり、破壊された歯周組織の再生をより確実に、そしてより促進させることができるようになりました。
歯周外科手術を数多く手掛ける土井歯科クリニックでも待ちに待った薬剤解禁です。
あとほんのひと手間で、手に入る段階までこぎ着けたものの、それにしても手続きが煩雑で嫌になります。
1ヵ月程前、歯科医師会主催の講習会で、治験に参加した歯科医師より手術手技やら使用上の注意点を解説付きで、しかも実症例のスライドを見る機会に恵まれました。
この折、製薬会社の代理店から購入できるようになっていることも知ったのです。
一番知りたいリグロスの実力(有効性)ですが、前回のブログでも示したように、フラップ手術単独、エムドゲイン併用群、リグロス併用群の新生歯槽骨増加量ではエムドゲイン併用群より優位に増加し、歯肉結合組織の再生にも遜色無しとの結果が出ています。
裏話として、治験に参加した先生の口から、骨の再生は良好にも関わらず歯肉に対する結果に思うようなデータを得られず、最終的には良好な結果を引き出せる選ばれた精鋭歯科医師により生み出されたデータであると聞くこともできました。
従って、添付文書にあるような結果を生み出すには、かなりの熟練が必要と思われますが、世界初の薬剤が保険適用され安価に再生医療として提供されるわけですから本当に朗報です。
ここからはあくまで私の考えです。
20年以上前から再生医療に使われ、今回の治験で比較対象とされたエムドゲインは保険適用を取得することなくこれまで経過してきました。
権利を持つ企業は歯科特有の考えを持ち、保険収載よりも自費治療で使われ続ける方が大きな利益をもたらすと胡坐をかき続けていたように感じます。
今回のリグロス歯科用液キットは製薬会社により開発された薬剤なので当然医療保険で使われることを前提にしてきたのでしょう。
そしてリグロスの保険認可ですから、今後はエムドゲインが歯科医療から忘れ去られていくのは自然の流れではないかと感じています。
歯科界では、むかしむかし、上層部に君臨していた人達が「歯科には自費があるから保険治療など興味が無い」との主旨の発言があったと何度か聞いています。
また、この言葉が今日の医科と歯科の保険点数の格差を生んだとも噂されています。
エムドゲインもこの流れの中でここまで来たのでなければ良いのですが・・・
あくまでも私の考えです。

