そんな時代なのか!

今回は、“私の認識も時代遅れになったのか!”と感じさせられたニュースを見つけました。
歯を抜いた後「薬を3日分出します!」というフレーズは、もはや古いというより、“この概念そのものが無くなった”というショックなものでした。

確かに薬剤耐性菌に関するニュースを耳にするし、このブログでも耐性菌について綴ったこともあります。
抗生物質が効かない細菌により患者さんが死亡したとか、最新の薬剤をもってしても効果が認められない!など知ってはいたものの、入院患者さんや重度の感染症を診療することが無くなり、どこか他の世界の事のように感じていました。

細菌による逆襲は確実に我々人類に迫り、このまま手をこまねいていると薬剤耐性に起因する死亡者数は増大し、2050年までには全世界で1000万人が死亡すると想定されているそうです。
そして、この数字は近年の癌による死亡者数820万人を超えるそうです。

つい最近こんなことがありました。
近くの医院で処方された薬を確認した時のことでした。
出された薬の中にパセトシンという抗生物質を見つけました。
私は思はず「こんなに古~いペニシリン系の薬を処方しているけど、耐性菌だらけのはずで、はたして効くのかな?」なんて心の中で思い「なんか特殊な事情でもあるのかしら?」なんてことも頭の中に浮かびました。

そう!
ところが、この処方をした先生、とても耐性菌に理解のある優秀な方であることを今回改めて思い知ったのでした。
2016年に出された歯科感染症治療の原則とガイドラインによると、ペニシリン系薬が第一選択で、現在最も使われている第三世代セフェムが推奨されていないことです。

軽度、中等度の感染症であればペニシリン系とマクロライド系で十分、術後の感染予防抗菌薬などは原則必要無いなんて書いてありました。

例えば、当院でもしばしば行われているインプラント埋入手術では、術前に最小量のペニシリン系抗菌薬を単回投与し、難しい親知らずの抜歯には少しだけ処方するのみにし、感染リスクの少ない抜歯症例では処方の必要性すらないとのことです。
昔ながらの処方を信じていた私としては「え~、そんな時代なの!」と認識を新たにさせられたニュースとなりました。

ただ、抜歯に対し術前単回投与を選択した場合、保険請求はどうなるのか?とか
果たして新しい投与法を古ぼけた頭の中に浸み込ませることができるのか?なんて考えてしまいます。

そうは言っても、“待ったなし!”ですから取り組まないわけにはいきません。でもね、もう少しじっくりと勉強させてください。
しばらくしたら、きっと当院の処方は変わります。

This entry was posted in お知らせ. Bookmark the permalink.