ガイドブック  HIV感染者の歯科治療

このほど歯科医師会より“HIV感染者の歯科治療”というガイドブックが届きました。

以前のブログでも、若い人(特に10代)のHIV感染者や梅毒患者が増加している現状を綴っています。
したがって、一般的な歯科医院といえどもこれらの病気に感染している人が歯科治療のために来院することが十分考えられることを示唆しています。

このガイドブックが届くまで、HIV感染者やAIDSを発症した人はAIDS拠点病院で治療を受けることが義務であり、これらの患者さんが来院したら紹介すればよい!

我々のようなクリニックには無縁のこととばかり思っていました。
また、このガイドブックの配布が意味するところは、もはやHIVがかなり身近な存在となりつつあることを示していることになりそうです。

実は私、大学病院に勤務していた頃、HIV感染者の治療をしていました。
当時のHIVは今とは異なり“死の病”とも言うべきもので、感染者が外来治療や入院治療をしていることは内緒であり、治療はとても慎重に、しかも秘密厳守でおこなわれていました。

そんなわけで私もHIVの検査を受けた経験もあるんです!(当然陰性でした)
しかし、今回届いたガイドブックには、健康なAIDS患者の存在が普通に現実なので、今やHIV感染症は死なない病気であり、“糖尿病や高血圧症のような慢性疾患のひとつである”とさえ言われていると書かれています。
またこうも書かれています。

HIVウイルスの感染力はB型、C型肝炎ウイルスに比較して非常に小さく、消毒薬や熱により不活化され易く、日常生活では感染せず、診療の現場においては標準予防策で十分対応可能だとされています。

具体的には血液や唾液の付着した器具の消毒、滅菌もしくは適切な廃棄を遵守することや、直接的な汚染の防止のための手袋の使用や保護用眼鏡などの装着をすることであると記されています。

これらの記述は、ウイルスの解明や治療法の進歩によるものでしょうが、「糖尿病や高血圧症のような慢性疾患のひとつ」と言われても「わたし、HIV感染していますが、よろしくお願いします。」と気軽に受診されてもほとんどの歯科診療所は混乱するでしょう!

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