医療事故及び医療過誤訴訟が増加しています。
歯科医療は、医科に比較し患者生命に直接関与したり、救命救急等の緊急対応が優先される医療内容は少なく、患者さんの主訴や咀嚼機能の回復、審美性に関する診療が多くを占めています。
これらの特殊性から、訴訟事例には「説明・問診義務」、「治療方法」、「適応」に関連するものが多いとのことです。
このところ患者意識の変化を背景に医事紛争事例が増加するとともに、医療者には医療水準に基づいた医療の提供はもとより、新規の知見や治療法についての研修、研鑽が必要とされています。
そもそも歯科医療訴訟は増加傾向にあり、内科、外科、整形外科についで多く、1997年に600件程、2004年には1100件と倍増し、2010年以降は700~800件前後を推移しているようです。
私は医療訴訟と言ったら外科や産婦人科を思い浮かべるのですが、この産婦人科より歯科の方が多いとは少々驚かされました。
ただし、訴訟と言っても全てが医療側の敗訴になっている訳ではないものの、状況によっては多額の賠償金や和解金の支払いとなった事例もあるので、慢心することなく常に最新の専門的知見を学び、新たに開発された治療方法や技術、材料の情報収集や習得に努めることが肝要であることが分かります。
とは言え、予期せぬ結果や事故が発生することは否めないことであり、それが医療者のミスであったとしても、患者さんとの信頼関係があれば紛争事例になることが避けられる場合もあります。
一方で、ミスが無い場合でも信頼関係が無ければ紛争に繋がることもあります。
これらの内容は、私も「解っているよ!」と思いながらも些細なミスの連鎖や、ちょっとした説明不足から自分の意図したことと異なるすれ違いから誤解を生じ、争いごとへと繋がることは承知しています。
例えるなら、高齢の患者さんと話す時、親しげに家族のような言葉を使った方が良い場合や、しっかり敬語を使った方が良い場合など、なかなか判断に迷うことなどがあります。
これも些細なことかもしれませんが、判断を誤ると良い信頼関係を構築することができないことになります。
本当に難しい事ばかりです。

