令和8年3月1日より金銀パラジウム合金(保険用銀歯)の価格が1グラム4779円に引き上げられました。
年初に金の価格が1グラム30000円を超え騒がれていましたが、歯科治療においても
金、銀、パラジウムの合金が銀歯として日常的に使われています。
しかも、今回の改定により30グラム143370円(14万3370円)と途方もない金額になり、歯科医院では1袋(30グラム)単位で購入する必要があり、医院によってはまとめ買いしたら、50万円程度かかり経営的にも苦しい状況になってしまいます。
さらに、この価格は現在の金属相場の値段よりも安いため、患者さんを治療すればするほど赤字になってしまうというオマケまでついています。
日本歯科医師会の会長は、金銀パラジウム合金の価格が急騰している現状に触れ、3月の随時改定では引き上げの価格案が提示されたがそれでも全く追いつかず、補綴(銀歯)をすればするほど赤字となる状態について危機感を示した。また、投機の対象となる金属を公定価格の中に置くことには以前から疑問の声も挙がっており、歯科技工士の不足による委託技工料の上昇も含め、材料価格のウエイトの高い歯科は大変厳しい状況に立たされていると強調しました。
分かり易く解説すると、現在の1袋(30グラム)の実勢価格が16万円以上なので、差損が約2万円位有ります。
銀歯を1つ作ると1800円以上損が出る計算になります。保険治療なので価格が決まっていることから、歯科医院の利益は作る物によりますが約4000円の利益が設定されているので、これだけで4000円の利益のはずが2000円ちょっとまで目減りします。
さらに、歯科技工士の不足により数年前より高い金額を提示しないと作って貰えなくなってきているので、またさらに利益が削られます。
歯科医院の経営には、スタッフの人件費や材料代、設備維持等の経費もかかるため、現状では経営が厳しいとなるわけです。
しかも、患者さんにとっては銀歯を入れた際の窓口支払額は高額なので、儲けていると勘違いされやすい環境に立たされているのです。
確かに20年程前は1袋(30グラム)1万円前後で安定していましたが、数年前に3万円を越え高過ぎてやってられない!と嘆いていた時期が懐かしくもあります。
誰も15倍以上の高騰は予想してなかったと言え、皆さまにも少しは歯科医院の現状を理解して頂けたと思います。
次回は「銀歯から白い歯」コンポジットによるCAD/CAM冠について解説したいと考えています。
お楽しみに!

