土井歯科クリニックでは、インプラント治療に際して血液データを必ず確認することで、どこか見落としが無いかを徹底しています。
入院して全身麻酔の手術をするのではないので、「直近の健康診断や人間ドックでの血液検査データでいいですよ」としてもいます。
なかには「ここ最近、検査した事無いなあー」といった暢気な患者さんもいらっしゃいます。そんな時はクリニック内で採血してから検査会社に依頼することになります。
では、いったい誰が採血するのか?当然院長である私が行います。
すると誰か「歯医者って採血できるの?」と疑問を挟む人もいるかと思います。答えは当然「採血OK」です。
土井歯科クリニックは、PRP治療のために採血していますが、このキットを扱っている企業がインプラント学会に出展していた時のことです。
1人の歯科医がブースに立ち寄り「歯科医って採血してもいいの?」と聞いたそうです。担当者は予期せぬ質問に戸惑い「インプラント学会でこんなことを聞かれると思いもしなかった」と言っていました。
歯科医師は、口腔・顎顔面頸部領域の治療であれば、医師とほぼ同様の医療行為を行うこができる職業なのです。ただ問題は、大部分の歯科医師が自分には関係無いと思い込んでいることではないかと思います。
血管を介した治療、血管確保の手技に関して言えば静脈注射や点滴、輸血に必要な末梢血管の確保、中枢の静脈に対しては高カロリー輸液、心機能の検査に必要な中心静脈(セントラルライン)確保、動脈に対しても採血、化学療法薬の投与(動注)、カニュレーション(A―ライン)など動脈、静脈に関してもこれだけの医療手技が可能です。
大学病院に勤務していた時にはこんなの当たり前のことでした。前述した企業の営業マンが来院した折、「採血できるの?」のエピソードが話題になったので、私が大学病院に勤務していた時の採血、点滴に関する印象に残る2人の患者さんの苦労話をちょっと披露してみました。
まず、1人目は全身に入れ墨がある患者さんでした。どこもかしこも入れ墨なので“血管がどこにあるのかわからない”また高齢であったので“血管が硬く”せっかく見つけた血管に刺そうとすると逃げられて失敗とかなり苦労した記憶のある方でした。
2人目は若い頃“やんちゃ”をして血管を潰した方でした。とにかく“針が刺せそうな血管が無い”ので手や足に蒸しタオルを当てたりして探し回りようやく見つけた血管が“左手小指の先”(本当です!)、“足の小指”とか考えられない場所から採血や点滴をしなければならず本当に「まいった」な患者さんでした。
その当時は、「これだけ難しい患者さんを相手に毎日刺しているからどんな患者さんにも注射できるよ」といばっていた記憶もあります。
現在は開業医として診療しているため大学病院時代の手技はほとんど使うこともありませんが歯科医師だって結構いろいろできることを知っていていただきたいと思います。
まだまだ綴りたいことはたくさんあるけれど今回はこれくらいにしておきます。また機会があればこんなこともできるんだということを紹介したいと思います。

