高い!

歯科医院を開業し、毎日のように患者さんに接し歯科治療をしていると、さまざまな不満や不平を耳にすることがあります。

ネットで歯科関係のサイトを覗いてみても、“治療費が高い!”なんてコメントも多く目にすることができます。
しかも「4000円も5000円も取られた!」なんて具体的な金額が書き込まれているものもあります。

私も先日「高い!」と言って帰られた患者さんを経験しました。
壊れた総入れ歯の修理を希望して来院されたかたでしたが、「いくらかかるのか?」とスタッフを通じて問われたので、「大体3000円くらいですと答えて!」と伝えてもらったところ、それを聞いたら帰ってしまったと聞かされました。

“こんなことがあった!”と仲の良い歯科医師に話したら「3割の負担割合ならそんなものだよね。」と話ながらも、「2500円くらい。と言ったほうが良かったかな?」なんてことや、「費用についてはいろいろ言う人がいるから仕方ないよ。」なんて会話もしました。

今の日本はほとんどの医療が健康保険でカバーされるので非常に安価で治療が受けられることに慣れ過ぎているような気がします。

私が大学病院に勤務していた頃、海外で歯科治療を受けた患者さんの体験談を聞く機会がありました。
日本なら保険を使えば1万円もかからないような銀歯のブリッジ治療が、アメリカで受けたら30万円かかったと教えてくれたし、また、返還前の香港で作ってもらったというプラスチック製の仮ブリッジを必要があって壊そうとしたら「やめて~、この仮歯10万円かかったんだから!」と叫ばれたこともありました。

この程度の仮ブリッジなら、その場でしかも無料で作ってしまうようなものだったので、「外国で歯医者さんにかかるのは大変なんだな~」と感じたことを覚えています。

また、「オーストラリアにいた時、差し歯が取れて歯医者さんで着けてもらったら1万円かかった。」なんて話、「治療費よりも感染予防のために使うディスポ製品の費用の方が高いから治療費が全体として高額になる。」とか日本の常識が世界では非常識になる話がゴロゴロしていました。

だからと言って“我々の請求する費用を黙って払えば良い!”なんて乱暴なことは言わないけれど、「高い!」と言う前に少し考えていただきたい。

歯や入れ歯は毎日食事の度、おやつを食べる度に必ずお世話になるものです。海外で常識な高い治療費、日本で受けられる保険制度、毎日の使用頻度から考えて見れば、とってもリーズナブルな治療費だと思うのですが・・・

日本の歯科治療費は保険治療も自費治療も世界的に見て非常識に安く、治療水準は世界レベルにあることをもっと知って欲しいと考えます。

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