さて、久しぶりにアカデミックな話題?を綴ってみましょう。
今の日本は高齢化社会から超高齢化社会に突入しています。
そして、当たり前のように人間が歳を重ねると、骨が脆くなり、結果として骨粗鬆症の患者さんが増えていきます。
この骨粗鬆症が進行して大腿骨の骨折を起こしてしまうと、約3割の方が寝たきりとなり、著しいQOLの低下を引き起こします。
したがい予防のための薬物治療といった早期介入が不可欠とされているのです。
この薬物で中心的な役割を果たしているのがBP製剤(ビスホスホネート製剤)です。
大変有用な薬なのですが、歯科においては少々厄介な側面があり、場合によっては“こんなになっちゃうの?”と信じられないような副作用を生じることが知られています。
このブログでも何度か取り上げたことがあるように、顎骨壊死という発症したら治療法が無い大変憂慮すべき副作用があるのです。
抜歯など骨に対する侵襲を避ければ殆ど発症しないため、内服薬や注射剤にも関心を払い、患者さんによく確認して歯科治療に当たる必要があります。
特に当院では、歯周外科手術をはじめインプラント治療も多く手掛けているため、BP製剤投与の有無は気になります。
最近も立て続けに問題が発生しました。
抜歯、歯周外科、インプラント治療を希望してもBP製剤のために延期せざるを得ない例です。
患者さんの主治医に治療中の間だけ薬剤の中止を依頼したり、たとえ中止できたとしても数か月の間は侵襲的歯科治療が出来ない等、またこの期間を不自由なく過ごしてもらうにはどうするのか?などなど頭の痛いことが山積してしまうのです。
幸いにして、主治医の先生や患者さんの理解も得られ顎骨壊死など大きな問題に繋がった症例はありません。
歯科の側から見るとBP製剤は厄介者ですが、医科の側からは骨折を予防し、寝たきりを防止し、生活機能や生活の質を向上させる有効な薬剤です。
そして、一部の悪性腫瘍では大変有用性が高く注射薬で使われています。
このような現状を考えると“ぼやいてばかり”ではなく我々歯科医師がしっかり情報確認し把握すればいいだけなのです。
どうです?
アカデミックなお話だったかな?

